求人数 143 件 2024/10/13
キャリアの階段に象徴される現代の「キャリア戦略」は、この20年ほどで起こった人材市場の急速な発達と密接な関係があります。
人材市場とは、端的に言えば「転職したい人」と「人材を求める企業」がマッチングされる場です。
双方の条件(ポジションや年収、仕事内容など)が折り合えば、無事に転職が決まります。
まさに株の売買が行なわれている証券市場と同様に、人気の人材には高値がつき、多くの企業で争奪が行なわれる場が生まれたのです。
魅力的な企業の中途採用が増えることで、優秀な人材がますます人材市場に出るようになり、それを受けて企業はますます中途採用に力を入れる……。
この連鎖が魅力的な転職の機会を拡大し、過去20年で人材市場を大きく発展させました。
どんなに良いキャリア設計をして、キャリアの階段をつくろうとしても、それを実現し得る良い転職先がなければ意味がありません。
人材市場が発達した現代だからこそ、キャリア設計をする意義が高まったのです。
このような変化を受けて、ビジネスパーソンのキャリアのあり方も大きく変わりました。
自らの意思で好きなことを仕事にできるようになり、高い年収条件や高いポジションで転職できる機会が得られるようになり、人材市場で評価される力があれば安全なキャリアをつくれるようになりました。
一方で、大手企業の大規模なリストラやM&Aなどを引き合いに出すまでもなく、企業の雇用は不安定になっています。
また、人材市場の発達によって、企業は適切な価格で人材を調達できるようになりました。
給与に見合った付加価値を生み出さない人材が、厚遇され続けることは難しいでしょう。
このように考えると、自分の未来を自分でデザインできる自由が得られたとも言えますし、自分の未来を守るために自分でデザインする責任を持たざるを得なくなったとも言えると思います。
いずれにせよ、自分の未来をデザインすることの重要性が非常に高い時代を迎えたのは確かでしょう。