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#4 目の前の人を全力で助け続ける―社会起業家としての生き方とは?

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#4 目の前の人を全力で助け続ける―社会起業家としての生き方とは?

渡辺:
最後に皆さんにお伝えしたいことはこちらです。
社会起業家とは、この画像のような“離島の医師”のようなものだと私は思っています。

これはどういうイメージかと言うと、夕方の5時ぐらいの営業時間が終わるタイミングに、遠くから怪我をした血まみれの方が「助けてくれ」と言って歩いてきたとします。
ノルマに縛られているような営業系の会社の場合は、「もう5時だから、帰らせてもらいます」と言ったり、あるいは「今日30人患者さんを見るというノルマは達成したから、もう閉めさせてもらいます」と言ったりして帰ってしまうということが起こりうるわけです。

しかし、社会起業家の観点から見た場合、ノルマとか営業時間とか関係なく、持っているスキルや提供できるサービスによって、とにかく目の前の人を全力で助ける。
そのためだけに尽力する、という感覚を持つことが重要だと思っています。

そのような感覚を持ち、とにかく時間外だろうが何だろうが、目の前の人を自分が持っているスキルを生かして助ける。
これをコツコツ積み上げていくと、結果として大きなことが達成できる、というのが社会起業家の生き方ではないかと考えています。
戦略や事業計画を立案して、社会を変えていく展開を考えることも必要かもしれませんが、それよりもとにかく目の前の一人一人を全力で助けていく、そのような生き方こそが大切だと思います。

本日はこちらで、私の話を終了させていただきたいと思います。ありがとうございます。

(会場拍手)

谷中:ありがとうございました。大きな拍手をお願いします。
コンコードエグゼクティブグループ渡辺秀和社長にお話をいただきました。
お話し頂いたキャリア設計の考え方は、「まちづくりをどうやるのか」を考える時にもすごく大事だと私は思います。

特に起業家スキルやクリエイティブなスキルなどをもう少し具体的な言葉で言うと、「ウェブサイトも自分でつくれますよ」とか「物書きも自分でできますよ」ということだと思いますが、このような武器があるだけで、個人プロフェッショナルから起業家キャリアを始めることができ、そこから広げていけるというのは、実はすごく安定的かつ安全ですね。
それが更に広がって、「じゃあもっと人を集めよう」という話になっていくと、すごくスタートアップを始めやすい状況になって、面白いと思います。

渡辺 秀和【コンコードエグゼクティブグループ 代表取締役社長 CEO】

渡辺 秀和【コンコードエグゼクティブグループ 代表取締役社長 CEO】

一橋大学商学部卒業。三和総合研究所 戦略コンサルティング部門を経て、2008年、コンコードエグゼクティブグループを設立。日本ヘッドハンター大賞MVP受賞。東京大学「未来をつくるキャリアの授業」コースディレクター。著書『ビジネスエリートへのキャリア戦略』(ダイヤモンド社)など。